はじめまして。
 今回からファミネット、メールマガジンに連載させていただくことになったKeikoです。
 今回は初回と言うことで、少しだけ自己紹介させていただきます。

  15年ほど前、当時、小学1,2、4、6年生だった三男一女の子供を連れて、夫を日本に残し、 ハワイへ移住しました。理由は子供の教育の為、なんていうと格好良いですけど、 当時も流行っていた幼児教室やら、お受験やらの人間の本質にまったく 関係のない日本の教育システムに疑問を持ったから。
 子供たちには、よくも悪くも自分の目で見、聞き、考えて行動し、 いつ親がいなくなっても自立して自分で食べていけるようになって欲しい。 大学の費用さえ、本人がローンを組んで、社会人になってから返済すると言われるアメリカ。 専業主婦で、良い母親という言葉が一番似合わないタイプの私は、さっさと子育てを終わらせるべく、 子供たちに広い世界を見せたかったわけです。もちろん、自分が青い空と海、 空気のおいしいハワイに住みたいと熱望していたことも理由の一つです。

  結果を言ってしまいますと、子育てに関してはまあ成功と言えるでしょう。
 少なくとも、子供たちは、どっちが良いとか悪いとかでなく、日本ではこうでハワイではこうだという、 多角的な見方が出来る大人になりました。特に下の二人は日本人でありながら、感覚はアメリカ人で、 どちらも母国のように感じているようです。英語と日本語をこなせるという面でも、 彼らの将来に、きっと役立つことでしょう。

ということで、ここからは私が移住してきて良かったこと、 困ったことなどを記憶の糸をたどりながら書いていきたいと思います。 これからハワイに転居なさる方々に少しでもお役に立てればと思っておりますので、 ご質問やご意見などありましたら、ご連絡(E-mail:rkshkeiko@yahoo.co.jp)くだされば幸いです。


第1回 ハワイにもありました い じ め

初回から、暗い話で申し訳ないのですが、子連れで転勤。なんて方には、一番心配なことのはず。 言葉も通じないし、うちの子大丈夫かしら? と思うお父さん、お母さん、 我が家では、4人の子供のうち、一人は被害者に一人は加害者になりました。

  被害者になったのは、当時小学二年の娘。こちらに来て一年程たった頃でした 。学校側の配慮で日本人の子がいるクラスに入り、その子が通訳をしていてくれたようなのですが、 少しずつ英語を理解し、自分で友達を作り始めた娘に対していじめが始まりました。 最初は、「00ちゃんと喧嘩すると通訳してくれないから、いつも我慢してるの」と言っていた娘が、 朝になるとお腹が痛い、頭が痛いと言い出しました。 娘には「亜美ちゃんの心の中には、強い心と弱い心があって、 弱い心が勝つと、頭やお腹が痛くなるんだよ。強い心が勝てば、平気なはず。亜美ちゃんは強い子だよね。」と、 はっぱを懸け学校に行かせるものの、そのことを担任の先生に相談に行こうにも、 英語力は及ばず。娘の持ち物をそれとなくチェックし、 何かいじめの痕跡になるものはないかと探すぐらいしか出来ませんでした。


学校に併設された保育園

子供たちが通った小学校入り口

小学校校庭
※写真をクリックすると大きくなります

 そしてある日、見つけたのです。それは、たどたどしい文字で書かれた英文の手紙でした 。「亜美は、私のお兄ちゃんと話をしたから、$100払わなくてはいけない」と書かれ、 4〜5人の女の子たちのサインがありました。やっぱりいじめられていると確信した私は、 その手紙を担任の先生の所に持っていったのです。
学校側の対処は見事なものでした。手紙を渡した数時間後には担任の先生から電話を頂き、 「この件に関しては教頭先生が処理します」とのこと。 翌晩には、サインをしていた数人の子供の親から、お侘びの電話が掛かってきました。 学校側は、すぐに、相手の親と子を呼び、手紙を見せ、話し合いをしてくれたのだそうです。
 相手の母親たちの対応にも好感がもてました。私と話した後、娘とも話してくれ、 相手の子も電話に出させ、本人にきちんと謝らせたのです。

  残念なことに、首謀者と見られる日本人の子の家からは、 何の連絡もないままに終わりましたが、娘をまだいじめようとするその子に、 同意する子はいなくなり、逆にかばってくれるようになったとのこと。その後、 娘が学校に行きたくないと言ったことは一度もありませんでした。

ファンファクトリー
毎月のようにある小学校の遠足で、子供たちに一番人気だったゲームセンターです。 小学生の遠足にゲームセンターって言うのも、日本じゃ考えられませんよね。
※写真をクリックすると大きくなります

  後からきいた話では苦情などが来た場合、学校は何らかの対処をしないと、 親から訴えられるとのこと。訴訟の国アメリカ。日本人にはそんなことで、 と思えるような事が、何でも裁判に結びつくようです。
学校の対面を重んじ、表に出さないようにする日本の学校。 訴えられては叶わないから、公にしようとするこちらの学校。

 次回は、いじめの加害者になった長男が、犯罪者になるかならないかの瀬戸際まで追い込まれたエピソードについて、書いてみたいと思います。

ハワイ風景・・・
※写真をクリックすると大きくなります
2007/10/15
つづく

[目次]