転勤妻 灼熱印度
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サイト【転勤妻】 運営主宰者 大向 貴子

第1回 インドの内側から


今春より久しぶりに私自身が「転勤妻」に復帰した。
サイト【転勤妻】http://www.tentsuma.comを立ち上げてからはや7年。
世界中から集まる転勤妻たちからの投稿や情報で誰よりも海外生活の術を理解しているようなつもりでいた。その不遜な考えを簡単に打ち砕いたのが今度の赴任国、インドだった。

日本人が思うインドは「カレー」「民族衣装のサリー」「ガンジス川」などで同じアジアでも地理的にも遠くほとんど知らない国ではないだろうか。

インダス文明に始まる4000年の歴史をもち、国土は日本の約8倍、人口は世界第2位、今後数十年で現在第1位の中国を抜くだろうと予測されている。
地球の国土面積に占める割合は2.4%なのに人口は地球全体の16.7%にも上る。
公用語はヒンディー語だが18の公用語があり実際には1000以上もの地域言語が使われているという。
気候に関してもインドはどこも常夏と思っている人は多いが、国土があまりにも広大なため南端と北端では数十度の気温差がある。
何もかもが桁はずれの国、それがインドだ。

「携帯電話契約者数が1億人を突破!」「自動車販売は2010年に200万台へ」。
最近の日本の新聞や雑誌にはインドに関する扇動的な記事が競うように並んでいる。
2003年にゴールドマンサックス社が「BRICSと見る夢」というレポートを出して以来、世界中が今確実に動き出した巨象インドに注目している。

ところが実際インドで生活してみると経済急成長のインドとは全く違う一面を感じることが少なくない。
ネガティブな面ばかりに捉われると確実にストレスとの戦いがインドでの生活となる。


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近代的なショッピングモールが出来始めているとはいえ庶民の買い物はまだ露天商が一般、衛生的とはいえない環境下での買い物は一苦労
あらゆる場所で建設ラッシュのデリー
高速道路も急ピッチで建設されているが進捗は驚くほど遅い

庶民の足「リキシャ」
事前に値段交渉のため利用するには気力と体力が必要

日本人の常識はまず通用しない。
約束事や時間などは話半分の八掛けといったところだろうか。
「明日伺います」の明日という意味はインドでは一週間以内と考えた方が無難らしい。
サービス業でも「大切なお客様」という意識が低くクレームを言っても平然として自説を述べ始める。
延々と続く言い訳に反論する気も失せてくる。
いつのまにか怒っていることに疲れ果て、最後には馬鹿馬鹿しくなってくるから不思議だ。

電力不足の問題も深刻だ。
デリーの5月は連日40度を越す本当に暑さ厳しい毎日だった。
そんな昼のさなか数時間にわたっての停電に見舞われた。
家の中で大粒の汗を流しながら復旧をただじっと待っていたときは「これぞインドの生活か」と実感したものだった。
一流といわれるレストランで食事中に停電が起こったときのこと。
そのままウェイターは給仕をし続け、客は食事をし続ける光景は日本人にとっては何とも不思議なものに思えた。
停電はごく当たり前の出来事であり、ホテルやオフィスでも日に何度も停電するのがインドでの現状である。

頻繁に起こる生活上のトラブルに対していちいち目くじらを立てていたらやっていけない。
結局のところ「何も考えない」ということがインドで生活していける唯一の自己防衛手段なのかもしれない。

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2006/10/15

つづく

目次
インドがくれた「スパイス」   2007/9/18
伝承医学 アーユルベーダ   2007/8/17
医療 新ビジネス  2007/7/17
「超」がつくほど学歴社会   2007/6/15
結婚事情  2007/5/15
まだまだ低い女性の地位  2007/4/16
元気をくれるインド映画  2007/3/15
これでは太る   2007/2/15
何とも不思議 - 2   2007/1/15
何とも不思議 - 1   2006/12/15
インド人はインドが大好き   2006/11/15
インドの内側から   2006/10/16
 
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