英語を話す能力は充分あるのに、アクセント(母国語の訛り)が強いために理解してもらえないことは、この国に住む外国人の多くが経験しています。こちらが言っていることを何度も聞き直されたりすると自分でも嫌になり、話すこと自体がおっくうになってしまう心理状態もわかります。中学生以上で来米した子が母国語のアクセントがあるのに対し、幼児や低学年で来米した子供達は比較的ネイティブに近い発音を習得をしている現実を見ると、文法や読み書きと違って、発音の良さはインプットされた年齢の低さと深く関わっているようです。
実際言語音声学の研究によると、ネイティブと同じ様な発音を習得できるのは、10歳前後までで、それを過ぎると流暢な英語でも何らかのアクセントが残るとされています。これはこの年齢を過ぎて、言語中枢が行ってきた基本音のインプット→習得という働きが固まってくることが上げられます。またこの年齢までに、一定の音を発するために必要な口の筋肉の動きが形成されてしまうなどの説もあります。このように発音に必要な「プログラム」が母国語の音を中心に一旦固まってしまうと、新たな言語を学んだ時も、自然と母国語に存在する音を代用・駆使して発音する傾向が生まれ、結果これがいわゆる「アクセント」となって聞こえてしまうわけです。
またこれは環境にもよります。低年齢で来米したとしても、例えば一定の言語集団が住んでいる地域であまりネイティブの英語に触れず育った場合などは、アクセントが残ることもあります。また個人差もあり、中学生以上で来米しても耳がよく音感に優れている子で、きれいな発音を学んだケースもありました。相談者の高校生は小6で来米したということなので、アクセントは残るものの、これから全く発音が上達しないわけではありません。是非ESLの音声学に詳しい先生につき、次の事柄に取り組んでください。
1 どの音で苦労しているのか把握する。
−日本語になく英語にある音を、他の日本語の音で代用していないか。
典型例:”the” “thing” “term” “girl”“map” “book” “bit” “wool”
−英語では似ているようで違う音を、日本語のひとつの音で発音していないか。
例: “crash” “clash”,“Pat” “pot” “putt”,“boat” “vote”
2 単語レベルで間違った発音をみつける。
−例:カタカナ単語の影響で
”language”を「ラングウエッジ」と言わず「ランゲージ」、“Orlando”を「オランドウ」と言わず「オーランド」
“bilingual”を「バイリングウオー」と言わず「バイリンガル」と言うなど
3 文の中でのくせをみつける。
−子音に不必要に母音をつけていないか。
例: “I wenta home and watcheda TV.”
−流暢に早くしゃべろうとして、ひとつひとつの単語をおろそかに発音していないか。
これらの点をチェックしてどこに問題があるのかを把握したあと、ネイティブの先生にこれらの発音が入った文章を録音してもらい、そのテープを毎日聞いてものまね練習しましょう。できるようになるまで徹底的に繰り返すことが大事です。普段しゃべる時もこれらの音を意識して発音するように心がけることが必要です。
また実践的な方法として、演劇に取り組むのも、発音矯正に良い結果が見られるようです。もしこの夏時間があるようであれば、演劇のキャンプに参加されてはいかがでしょうか。あきらめずに頑張ってください。
