渡米して現地校に転入されてから今日まで、それぞれの段階で多くの困難を乗り越えてこられたことと思います。在米5年目といえば、学習英語も完璧とはいかなくてもある程度のレベルに達し、社交面でもやっとアメリカ人生徒と同等に振る舞えるようになるなど、かなり居心地が良くなってきた時期ではないでしょうか。そんな矢先にやってくる帰国命令は、駐在員家庭の「宿命」とは言え、やはり酷なものがあります。子供本人は再度の進路や学習環境の変化で不安に陥る場合も多く、また母親は「ここまでノンストップで必死でやってきて、また一から振出しなの?」と気が遠くなるような思いを持たれるようです。しかし、もちろん現地での今までの努力と、それによって身についたものは、帰国しても無駄になるようなものではありません。ここは気をとりなおして帰国後それをどう維持し、伸ばしていくかに焦点を当てていきたいものです。
さて、帰国後インターナショナルにするか、日本の学校にするかですが、両方メリットとデメリットが考えられます。まずインターナショナルの場合、もちろん英語がそのまま学習言語として使用され、主に英語で思考能力が身についている生徒であれば、言語の変換で学習自体が邪魔をされることなくスムーズに継続できます。またいったん日本に帰ると、国際的な環境になかなか入れず、外国人の友達も作りにくいのが現状です。これがインターナショナルであれば、様々な国から日本に滞在している生徒や帰国子女など、多様な交友関係が築ける可能性が大です。英語力も日本的な受験英語でなく、実際の文学を読んで討論をしたり、エッセイライティングやSAT,バカロレアなどが中心となってくるので、国際舞台で通用するレベルに到達できる可能性は十分あります。ただ、日本のインターナショナルで気をつけたいのは質の問題です。学校によっては生徒や先生のレベルに差がみられ、英語で学習するから学校の質も高い、といった間違ったイメージに惑わされないようにしましょう。また、これは本人の性格にもよりますが、結局周りの環境に感化され、「自分は日本人なのに、どうして無理して外国人学校に行ってるの?」とアイデンティティーに悩まされた生徒もいました。
一方日本の学校の場合ですが、ここ近年帰国子女への待遇が整っている学校が増えています。高校や大学受験も帰国枠であれば、一般的に高いレベルの有名校に入れる可能性が大きく、親御さんにとっては魅力的なようです。だからといって、英語がアメリカそのままのレベルの授業かと言うと、やはり学校によってまちまちのようです。例えばアメリカにいた時のクラスの調子で手を上げて発言していると、「君はちょっとだまってて。」と先生にたしなめられたり、今だに受験英語で間違った日本語訳をどうどうと教えているというケースもありました。ですので、国際レベルの英語力は落ちていく可能性はありますが、その反面日本語という母国語を回復し、洗練されたレベルまで伸ばすことができます。将来の仕事は日本で、と考えている方は、やはり社会で通用する日本語を身につけておくのは必須でしょう。
このように両学校ともいい面と悪い面が考えられますが、結局結論はご本人と親御さんで決定される他ありません。もしこの冬休みに時間があれば帰国して学校見学をしたり、経験者に話を聞いたりして、リサーチに励んでください。最終的には娘さんの将来にとって何がプライオリティーなのかをよく考えて決定してください。
