
娘さんの場合、家ではよくしゃべり、勉強もこなしているということなので、言語の発達や機能には問題はないようです。しかし外や学校に行くと極度の緊張状態になり、言葉が出なくなるようですね。日本にいる時からそうだったということなので、英語がわからないこと以前の精神的問題があるかもしれません。しかし本人は案外話さないことを苦痛に感じていないのではないでしょうか。現地校の先生などによると、日本でおとなしかった子の場合、アメリカに来て英語がわからなくても、もともと話さないことに慣れているので、さほどショックはないという一説があるそうです。しかしそのような子が新たな文化に溶け込み、友達を作り、英語習得が行なわれるまでにはやはりかなり時間がかかるようです。この点、日本で積極的で社交的だった子のほうが、転入時のショックは大きいですが、乗り越えるのも早く、適応もうまくいく傾向にあるといわれています。
ご存じのように、アメリカの学校は人前で意見を言ったり、個人の発想とその表現力を重視した、将来社会で自分を主張できる人間を育成する教育を行なっています。5年生ともなると、クラスでプレゼンテーションもあることでしょう。以前の相談で、普通の日本人の子は英語習得した後でもなかなかクラスで発言しない傾向を取り上げました。友達関係も、特にこの年齢の女の子は「おしゃべり」から始まると言っても過言ではありません。ですので、現地校での毎日は内向的な娘さんにとっては精神的に負担になっていることは事実でしょう。英語は毎日学校で聞き、読み書きの練習からもある程度学べますが、やはりそれを口に出して使わない限り会話力は上達はしません。
ただ無理矢理誰かと話させたり、みんなの前で発言させたりするのは逆効果になる可能性があります。カウンセリングを受けたりや精神科に相談することもひとつの対策ですが、今はまずひとり友達を作ることから始め、段階を踏んでみてはどうでしょう。友達がひとり学校にいるだけで、子供の世界は全く変ります。もしESLのクラスがあるのであれば、他の国から来た英語ができない子でも、せめて家に呼んで一緒に遊んだりできるはずです。家の中であれば、その子と少しはおしゃべりできるのではないでしょうか。家でその子とのおしゃべりができるようになれば、学校でもその子とは話すようになるかもしれません。また担任の先生に相談して、学校で彼女がリラックスできる環境を工夫してもらい、彼女がひとりにならないよう協力してもらうよう頼んでみましょう。