現地校で小5レベルの一般的なカリキュラムを見てみると、社会はアメリカ史や古代文明、理科は原子・分子などが登場し、かなり高度な内容となっています。教科書の中は専門用語が増え、親でも辞書を片手に全てを理解するのに時間を要します。またレポートや研究発表なども課され、これらはアメリカ人の生徒にとっても容易ではありません。ですので、在米3年の息子さんが苦労するのは当然だということを、まず理解してあげましょう。
息子さんの場合小2で来米されたわけですが、年齢が低いと耳から英語の音を覚え、会話も時間とともにとりあえずできるようになるのが一般的です。しかしその会話は感覚的なものに基づいており、文法においてはあいまいな部分が多いのが現状です。結局これがくせになり、高学年や中学になっても正しい文法を無視した英語で通す子供もめずらしくありません。またこれらの間違いは、読み書きになるとより顕著に現われます。この点、高学年や中学から来米した子供のほうが、会話を学ぶのは遅く、アクセントも残るものの、後に文法的な正しい英語を習得できる例が多いと言われています。また多くの現地校では小学校低学年の間に、Phonics(フォニックスーーー英語の綴り字と発音との関係を教える教授法)を実践しており、これによって「読み書き」の基礎を徹底的に叩きこんでいますが、息子さんはこれがしっかり身についていない可能性もあります。
さて勉強法に関してですが、英語においては日本での中1の文法から始めてみることをお勧めします。日本の中学文法は正しい英語の基礎を学ぶ上で、かなり役立つものと思われます。これらの文法事項と平行して、ボキャブラリーや熟語なども綴りを練習し、努力して覚えていくことが重要です。また科目の学習では家庭教師などを雇い、ヘルプを求めるのが懸命でしょう。この場合、宿題をこなすことのみが目的ではなく、あくまでも本人の理解力を深め、最終的にはなんとか独力でできるように持っていくことに重点を置きましょう。
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