第7回 ちょっとおかしい

日本の皆さんは花粉症にお悩みのご様子。お見舞い申し上げます。
80歳に手が届きそうな母も、兄嫁も、愚息も、皆電話でかなり辛そう。
去年まで何でも無かった人が、急にかかってしまうようで、大気汚染のせいなのか、はたまた食べ物のせいなのか? ナンにせよ環境がどんどん悪いほうに向かっていることの証明です。地球が怒っているのかも、、、。

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ワイキキから車で15分の森。ハイキングコースになっていて小1時間歩くと小さなマノアの滝があります。お休みの日に手軽に出かけられて、絶好の森林浴が出来るんですよ。疲れると癒されて帰ってきます。

 こちらに来たばかりの頃、どこを見ても絵葉書になるような景色に本当に感動しました。空は青く澄んでいて、木々は濃淡の緑、海の色は言葉で表せない水色。空気までさわやかな色を放っている。と感じたものでした。ところが慣れとは怖いもので、日々感謝して過ごすべきなのに、今ではこの環境は私にとって当たり前。日本に帰ったときに、逆に日本の環境の劣悪さに驚かされる始末です。
 ちなみに日本の状況は、毎日NHKのおはよう日本で見ています。その日の朝の番組が夜9時から、ケーブルテレビで放送されています。その他にも、生島ヒロシのお早う一直線と森本毅郎スタンバイもKZOO日本語ラジオで放送されていて、仕事中はいつも聞いています。
 余談になりますが、このKZOOラジオ。とてもローカル色豊かなのですが、私の一押しは、午前10時からと午後3時半からのもしもしアワー。一般の人が電話をかけてきて、言いたいことを言ったり質問などをします。それを聞いている人がまた電話で、意見や答えをするのですが、かけてきている人達は、多分平均年齢75歳〜85歳ぐらいの日系の方々。言葉の誤解もあれば、意味の誤解もあって、高齢者クイズラジオ版といった様相です。聞いているだけでほのぼのとした良い感じになれます。そしてもう一つ感じるのは、話し方や、声、意見が、その人の人格を表しているということです。こんなおばあちゃんになりたいなあ。と思う人もいれば、こんな姑さんなら、お嫁さん大変だろうなあ。と思わず同情したくなるときもあります。
「子供叱るな来た道じゃ、年寄り笑うな行く道じゃ」ですね。

  ところで、最近の日本のニュース。何がどうなっているのか、とても怪奇的で不気味なものが多いのに驚かされます。親が子供を殺す。子供が親を殺す。その殺し方も死体に細工したりして、親子の間でそんなに恨みを持つことが出来るのものなのか?と首をひねってしまいます。


わらび

背丈2mほどのお化けわらび
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そう言う私も、子育て真っ最中の時はぜんぜん余裕が無く、感情のままに子供を怒鳴ったり、ひっぱたいたりしました。今だから言えますが、幼児虐待に近いものがあったと思います。特に長男は、小さい頃から活発で、ティーンエイジャー時の反抗もすざましく、彼を最後に殴ったのは、16ぐらいの時。体力ではかなわなくなっていたので、彼がトイレに座っているときに、いきなりドアを開けて、思いっきり平手打ち。毎日が、大喧嘩、怒鳴りあいの日々でした。
 「お袋ずるいよ。俺が殴れないの知ってて!」と、空手を習っていた彼は防御の体制で、殴りかかっている私にいつも言っていました。そんな子育てだったにも係わらず、私自身は子供から、手を上げられたことは一度もありません。子供たちは何とか社会に適応して生きていく力を持ってくれました。一人一人性格も違えば、生き方も違います。4人を足して4で割ればちょうどいいのにと思うこともしばしばです。それでも今思えば、喧嘩したり怒鳴ったりの毎日の中に、あっけらかんとした明るさがあったのです。

 昨年まで、使っていない部屋を、日本からの留学生に貸していました。留学生といっても、就職してから数年働き、ステップアップを目指す人や、転職を考えている人などで、某日本大手企業が経営しているビジネススクールの生徒さんです。平均年齢は30歳前後。有名大学を卒業、社会に数年出た後で、社会人としての経験もある人達です。延べ7人の方たちと、大家と下宿人という関係でお付き合いしたのですが、何度も不思議な光景を目にしました。
 たとえば、ダイニングの丸テーブルを囲んで3人の同世代の男女が、話もせず、それぞれにコンピューターのキーを叩いていたりするのです。勉強しているのかと思えばそうでもないらしく、チャットをしたり、漫才を見たり、、、。黙ってあんまり真剣なので、こちらも声をかけにくく、そうすると一部屋に4人もの人がいて、しーんとした部屋に、コンピューターのキーを叩く音だけが響いているわけです。その他にも、同じ学校のクラスメートなのに、自分の分だけの食事を作り、一人で食べたりします。、かと言って、それぞれの部屋にいるわけではなく、ダイニングなどに集まっているのですが、コミュニケーションはないのです。 
なんとなく気まずくなり、私は早々に部屋に引き上げるのですが、どんよりした暗い空気が漂っているように感じるのは私だけなのでしょうか? 私がいる事によって余計そうなのかもしれないと考え、そっと部屋からダイニングの様子を伺うのですが、笑い声はおろか話し声さえしないときがほとんどでした。

 私が学生だった頃、生活スタイルが欧米風になり、ちゃぶ台からテーブルに、畳の部屋から洋間にと時代は急激に変化しました。当時、子供に自室を与えるべきかどうか、というテレビ討論会までありました。もちろんテレビはお茶の間にしかなく、自室はあっても、生活はお茶の間中心でした。今や、子供の自室は当たり前、テレビやゲームも、一人数台。何より1人っ子が多く、兄弟喧嘩も無ければ、習い事で皆で遊ぶ時間も無い。遊び相手はゲーム。

 こんなことを書くと、年を取ったと笑われそうですが、一生懸命若作りを目指しているおばさんとしては、何とか時代について行きたいと思っているのです。でもやっぱり、今の日本の若い人ちょっとおかしい、、、。
 ちなみにハワイで暮らしている、24歳の三男坊の遊びは釣りと魚とり。ゴルフなどもしますが、お金のかかる遊びはあまりしないようです。素潜りで、スピアーといわれる銛で魚を撃ち、みんなで浜辺でバーベキューをしたり、レスリングをして騒いでいるようです。これも、日本の人から見たら、彼の年齢を考えると、ちょっとおかしい???

 

2008/4/15
つづく

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