【Fami Mail】 vol.21 2002.7.15 / 【Fami Mail】


「住基ネット」ご意見・ご感想

【特 別 寄 稿 】2002.7.15
8月にはじまる「住基ネット」とは、
徹底した監視社会の一歩なのです

声高に言うのは、よそう。
まず、自分の問題として考えてほしい。
生年月日、住所にはじまって、所得も病歴も学歴も、果ては犯歴さえもが1枚のカードに記録され、国に管理される。そんな社会を、あなたはのぞんでいますか。
遠い先の話ではありません。8月にはじまる住民基本台帳ネットワークシステムとは、徹底した監視社会の第一歩なのです。
/ ジャーナリスト  海野 幸


ファミメール vol.21 2002.7.15で、【特別寄稿】住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)、ご意見・ご感想をいただきました。 ありがとうございます。みなさまからいただきましたご意見・ご感想を、原文のまま掲載いたします。

今後もどしどしご意見・ご感想メールください。
↓↓

E-mail:juki@faminet.net


*メールをいただいた順に掲載してます。
2002年  2003年


広島県安芸郡熊野町在住の自業者-03.6.11

「個人情報 限りなく漏えい

広島県安芸郡熊野町在住の自業者です。
住基ネット問題で意見を主張されて い る様子をホームページで知りました。

熊野町は住民の生活習慣を調査、また提供された血液を分析・抽出した遺伝子を保存管理するための研究事業 「生活習慣病予防対策」事業をスター トさせました。

この事業を言葉で説明し、参加を促すため「推進協力委員」が各戸を家庭訪問します。
調査票に記入させ、記入漏れがないかチェックしたり収する。 採血のため住民検診を受けるように奨める。 などの業務をが行います。
行政はこの事業を実施するにあた り自治会長を集めて「説明会」を開いた上で、自治会長が推薦した人物を「協力委員」に委嘱しました。或自治会の会合では「個人のプ ライバシーに関わる問題だ。
行政は住民の 納得と合意を得るため地域に出てきて説明をして欲しい」という住民の要求に対し、「国勢調査員や民生委員と同等の研修を受けさせる」からその必要はないと自治会長が強弁し、自治会が 住民の声を抑える形となっています。

町は協力委員134人を集め「委嘱式」を行い、その中で僅か一時間足らずの「研修」 しか行っていません。

「ご近所の方」の業務で知り得た年齢、職業、病歴や生活習慣、家族の状態 などのプライバシーや個人情報が守られる保証(担保)は、どこにもありません。
本来、守秘義務がある役場の職員(保健婦)がやるべき仕事を、住民の自治組織である自治会が何故しなければいけないのか疑問です。

事業概要に文部科学省の「研究助成事業」と明記されています。
40才以上の住民を対象に、生活習慣に関する「食生活、飲酒、喫煙、運動、睡眠、ストレス、健康状態、本人と家族の病歴、婦人の生理など」 調査と「血液」を収集。将来的には「血液から収集した遺伝子・DNA」を解析し保存されるものです。

このように精密かつ重大な個人情報が、いろいろな段階を通って集積されます が、その途中で漏えい、漏出しないと誰が保証できるでしょうか?

「住基ネット」とリンクでもされた ら…という不安がますます増大するばかりです。
今こそ国民の間での幅広い論議が必要となっているのではないでしょうか。
ご意見、お考えを聞かせて頂くと有り難いです。

「事業概要」「協力委員の手引き」の抜粋です。

「事業概要」「協力委員の手引き」

<研究の概要 >
  • 文部科学省が全国10万人を対象(10ケ所)に実施する研究助成事業です。
  • 熊野町では、40才以上の住民1万人(下限7千人)を対象に、生活習慣に関する質問(食生活、飲酒、喫煙、運動、睡眠、ストレス及び健康状態等)と血液を5年間隔で収集します。
  • 5年間の生活習慣の変化を質問票と血液から把握し、罹患者と非罹患者
    を比較します。この手法により、生活習慣の変化と発がんリスクについて解析し、発がんの原因、予防方法を探ろうとするもので、将来的には、抽出保存したDNAを解析する予定です。

<町の研究協力>
町は、次の理由により住民の福祉増進に有益であると判断し、この研究に協力します。
  • 文部科学省の特定領域研究助成という、国家プロジェクトです。
  • 住民個々のリスクファクターやがん高危険群が明らかとなり、適切な事後指導が可能となります。
  • 自己のリスクファクターを理解することは、家族や次世代の健康増進にも大きく作用するはずです。
  • 生命科学や保健医療科学の進歩に大きく貢献できます。

<尊厳、 人権の保護>
  • 研究に協力する、しないは、個人の自由意思によります。
  • 研究に協力いただける方には、十分な説明と、書面による同意をいただきます。同意は撤回可能です。
  • この研究は、人間の尊厳及び人権の尊重が、科学的又は社会的な利益に優先して行われます。
  • 国の「疫学研究に関する倫理指針(文部科学省、厚生労働省)」に基づき、厳格、厳密に行われるため、個人情報は完全に保護されます。

<事業推進協力員の役割>
生活習慣病予防対策事業とは
 熊野町では、平成15年度から生活習慣病予防対策事業を行います。
生涯を通じて、健康で充実した毎日を送りたい。全ての人に共通するこの願いを実現させるためには、生活習慣病予防することがとても大切です。
 この事業は、住民の皆様から生活習慣をお聞きし、提供いただいた血液を分析することにより、脳卒中、心臓病などを防ぐための生活習慣の改善に向けた、個別、具体的なお手伝いをするものです。

<事業推進協力員の役割>
多くの住民の皆様にこの事業に参加いただき、健康な町「熊野町」を実現させよう。これには、住民の皆様に事業を言葉で説明し、参加を促す個別訪問が効果的です。
事業推進協力員には、この戸別訪問により、おおむね次の業務を行っていただきます。
○ 基本健康診査、事業内容の説明
○ 参加(協力)の要請
○ 健康診断受診状況などについての調査
○ 生活習慣質問表などの配布、回収、チェック
○ その他


ご意見・ご感想お待ちしてます
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