結核感染と発病について


 米国では幼稚園や小学校に入学する小児の健康診断の一部にPPD Test (ツベルクリン反応検査)を行います。もしPPDを注射した部位が発赤し直径10mmまたはそれ以上で硬くなっていると結核に感染していると判定し、一定期間、抗結核薬で治療を受けることになります。
 この問題について、米国に小児を同伴する家族の方から、うちの子供は小さい時にBCGワクチンを接種したので、陽性反応がでているが、胸部X線検査でも問題がないので、結核には罹ってないという証明を書いて欲しいとの依頼を受けることがあります。
  しかし私のところでは、そのようなご依頼はお受けしないことにしております。理由は以下の通りです。

  • 全ての感染症は、その病原体が人体内に侵入した時点で感染したことになり、その病原体が症状を起こすまでの期間を潜伏期と呼びます。病原体の種類により潜伏期間には大差があります。例えばインフルエンザは、1〜2日間と大変短いのですが、結核は2年またはそれ以上の潜伏期間があり、X線で肺の変化を認め、症状が現れるまでにはかなりの期間を要することがわかります。
  • BCGワクチンは一般に4歳くらいまでの小児結核の予防には有効であると言われていますが、それ以上の年齢では効果が疑われており、現在では入学時にツ反で陰性であってもBCGの接種は致しません。
    そのため米国では、5歳以上の小児あるいは成人もBCGワクチン接種の有無にかかわらず、ツ反で陽性であれば、例えX線検査で肺結核の所見がなくても、結核に感染していると判定し治療を始めます。結核菌に感染しているが、症状の出ていない状態をLATENT INFECTION と呼び、結核の症状がいつ現れても不思議はない状態であると理解しています。
    従って、ツ反応が陽性になっているのはBCGワクチン接種のためであると言う、一部保健医療関係者の説明は正しくないものであるとこを理解して頂きたいと考えます。

□UP□

2008年3月6日
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渡辺 義一
 
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