新日本橋石井クリニック
院長 医学博士 石井 光 |
日本人の食生活の変化とともに急増しているのが大腸ガンですが、無痛 内視鏡検査で早期発見でき、日帰り内視鏡手術も可能です。 入院の場合でも簡単な手術(腹腔鏡)で済むので短期間(一週間くらい)で入院費用・手術代がとても安くあがります。 無痛内視鏡とはどのようなものなのか、どのように早期ガンを治療できるのかを明らかにします。 |
1996年に新日本橋石井クリニックを開業してから今年で6年になります。その間、 私は7000余例の内視鏡を実施し、多数の早期ガン、進行ガンを発見しました。その後の生存率は92%、誤診率は0%です。これらの数字は、進行ガンでも発見が比較的早期であったことを意味します。 私が発見した早期ガンは、ほとんどが日帰り内視鏡手術で治療したものです。 通常、ガンの治療は、手術、化学療法、コバルト照射など多岐にわたりますが、いずれも治療費がかさみます。ところが私の内視鏡手術だと治療費はわずか10万円(自己負担は2万円)で済みます。早期ガンでも入院手術が必要な症例もありましたが、短期間の入院と簡単な手術(腹腔鏡)で済み、入院費用は手術代も含めて50〜100万円(自己負担は10〜20万円)でした。再発は現在までありません。
一般にガンは、致命的な病気として捉えられています。実際、周囲を見渡したとき、ガンで亡くなった人は少なくないでしょう。 無痛内視鏡は文字通り、まったく痛くもなければ苦しくもありません。 内視鏡検査を拒否するのは簡単です。嫌ならバリウム検査を受ければいいのです。 もし、無症状のうちに内視鏡検査を受けていたらどうでしょう。大腸の早期ガンのうち85%は外来治療で根治できます。治療費もわずか10万円で済みます。無痛内視鏡はこのようにガンの治療を根本的に変えてしまうものといえます。 本稿では、どのようにして無痛内視鏡ができるのか、そのメリット・デメリット、問題点を徹底的に検証します。そして無痛内視鏡でどのように早期ガンを治療できるのかを明らかにします。その上で無痛内視鏡がどのように医療経済上の効果をもたらすかについて展開したいと思います。 21世紀も医療保険制度が維持できるよう、本稿がその一助になれば望外の喜びです。 |
日本人の食生活の向上とともに増加しているのが大腸ガンです。 大腸ガン増加の一番の原因は、食生活の向上によって肉食が増え、相対的に野菜を摂らなくなったことにあると言われています。 しかし平均寿命が延びた反面、大腸ガンの増加傾向は近年特に著しく、胃ガンをはるかに凌ぐ勢いとなっています。このまま推移すれば、大腸ガンが消化器ガンの中で死亡率第1位になることは確実でしょう。 従来の人間ドックは胃のバリウム検査が主体でしたが、これは20世紀の人間ドックであることを、健保組合関係者は理解しなければいけません。また大腸ガン検診は、現状では便潜血反応で済ませていますが、これは後述するように「見逃し」という大きなリスクを抱えた手法です。 時代とともに人間ドックの中身も変えていく必要があります。つまり、大腸ガン検診を主体とした検査に変えなければいけないのです。これは医療経済の基本です。 |
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(c) 新日本橋石井クリニック2002
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