| 国名 |
2002年11月1日より2003年5月5日までのSARSと疑われる患者数 |
| オーストラリア |
4
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| ブラジル |
2
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| ブルガリア |
1
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| カナダ |
148
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| 中国 |
4280
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| 香港 |
1637
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| マカオ |
1
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| 台湾 |
116
|
| フランス |
5
|
| ドイツ |
7
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| インドネシア |
2
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| イタリー |
9
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| クエート |
1
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| マレーシア |
7
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| モンゴリア |
8
|
| ニュージーランド |
1
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| フィリピン |
3
|
| ポーランド |
1
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| アイルランド |
1
|
| 韓国 |
1
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| ルーマニア |
1
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| シンガポール |
204
|
| 南アフリカ |
1
|
| スペイン |
1
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| スウェーデン |
3
|
| スイス |
1
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| タイ |
7
|
| 英国 |
6
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| 米国 |
61
|
| ヴェトナム |
63
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| 合計 30カ国 |
総数 6583
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WHOによれば、上の表に示したように、2002年11月1日から2003年5月5日までにSARSと疑われる患者およびSARSと考えられる患者が世界各国および領土を合わせて30の地域で合計6583名が報告され、今後も更に増加するものと予想されています。
感染症の対策を考える場合に重要なことは;
● 先ず感染症が現れたことを発見し
● その感染症の原因である病原体を判定し
● その病原体の治療に有効な治療薬で患者を治療し
● 必要な病気の予防手段を行う、これには公衆衛生教育、ワクチン接種、薬物による予防その他があり、その中心となるものは住民への感染症流行情報などです。
以上述べたいくつかの対策を一つのオペレーションとして常に行うのが、サーベイランスで、これを日常活発に行っているのは、私の知る限りでは米国のCDCであると思います。SARSについてCDCがMMWR(Morbidity
and Mortality Weekly Report )に報告している Update; Severe Acute Respiratory
Syndrome United States によれば、昨2002年11月1日から2003年4月30日までに、米国では38州から総計289名の患者が発見され、そのうち233名(81%)はSARSを疑う患者で、他の56名(19%)は恐らくSARSであろうと思われる患者となっております。以上2つのグループから、コロナウイルスによる感染を確認するには、発病後少なくとも2週間から3週間を必要とするようで、発病後の早期診断は未だ難しいようですから、先に述べたサーベイランスに活用するのは難しいように思われます。3月にWHOが9カ国11の研究所(日本では感染症センター)の共同研究テーマの一つにSARSの確実な診断法があげられているので、これについての研究の成果も近いうちに報告されるものと期待しています。
因みに米国での二つのグループからの死亡者は一人もいないようです。
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