表Eの説明
表Dに示したペットや家畜に関連する感染症
感染症への対応策
- 予防接種
- 抗微生物薬による予防内服
- 病原体が人体内に侵入する経路を中断して感染を防ぐ
- 感染者を治療する
などがありますが、どの対応策も公衆衛生や治療の責任当局者の正確な情報に基づいたリーダーシップが要求されます。
4つの対応策のうち@ABは感染症に対する積極的予防策と考えますので以下に少し詳しく述べてみます。
1予防接種
予防接種は予防したい感染症以外の感染症を予防することはできませんが、小児結核の予防に使用されるBCGワクチンがハンセン氏病の予防に役立つという報告が唯一の例外のように思います。
真菌(カビ)および寄生虫症の感染症に対する予防接種は存在しないことは以前述べました
2 予防内服
抗微生物薬を使用して感染症を予防しようとする方法は、マラリアを除き日常実施されているものはありません。予防内服について多くの専門家は、自分自身が感染から身を守るための手段であり、大きな流行を防ぐための手段にはならないと言っております。
衛生的な対策のとり易い小規模の施設や、小さい病院内の流行を防ぐためにのみ予防内服の可能性を考えると言う意見のようです。
3 感染症の病原体が人の体内に侵入する経路を中断して予防する
感染症の病原体が人体内に侵入する経路について9つに大別することは以前述べましたが、ここではその大要に加え、私達が元来体内に持っている細菌が、通常は存在しない部位に侵入して起こす自家感染とでも呼ぶべき問題について、10番目の感染経路として述べてみます。以下リスクについて念のため説明しておきます
リスク1 飲食物から感染する
リスク2 感染患者から感染する
リスク3 動物に触れて感染する
リスク4 毛皮、太鼓など動物の皮から作った製品から感染する
リスク5 土や砂などの上を裸足で歩く、または、ほこりを吸い込んで感染する
リスク6 小川、灌漑用水などの淡水に触れて感染する
リスク7 昆虫に刺されて感染する
リスク8 性行為で感染する
リスク9 医療を受けて感染する
リスク10 特に女性に多く、大腸の常在菌が膀胱に侵入して炎症を起こす膀胱炎、
下痢症を起こした後に、大腸の常在菌が小腸の正常な吸収機能を妨げ、小腸の粘膜組織を変える小腸汚染症候群などがあります
● 土や淡水から感染する感染症の病原体は、土や淡水から野菜などを汚染する結果、リスク1の飲食物から感染を起こす場合もあります。
さらに淡水から感染する感染症として、動物とは関係のない住血吸虫症やレジオネラ症があります。
● 表Dに示してある感染症への対応のうち、予防接種が存在するのは炭疽、ブルセラ症およびレプトスピラ症の一部のみで、その他のものには予防接種では予防できません。
炭疽の予防接種は、日本を含む多くの国で接種を受けることができません。
ブルセラ症の予防接種効果についての評価も明らかではありません。
レプトスピラ症では、100から200種類の病原体が存在しますが、そのうちの一つでおきるワイル氏病のみ有効な予防接種が存在しています。
予防内服が可能な感染症もありませんので、感染経路を知り、その対応策をとることが大切になります。
表Eに示した各感染経路への対応策については、野生動物に関連する感染症の後にまとめて述べたいと思います
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